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2007年1月10日 (水)

THE VANITY FACTORY

「♪オフィスの窓にもたれて ブラインドを少しずらして 水曜日の夕暮れを 静かに吸いこむのさ~」。
ご存知、1980年12月リリースのアルバム「G.S.I LOVE YOU」に収録されている「THE VANITY FACTORY」です。作詞・作曲は佐野元春。「♪部屋の中ではルームエアコン 悲しげな音をたてて 遠くのどこかで 車のクラクション ブルー・トゥワイライト~」情景が目に浮かんでくる歌詞です。
同じく「G.S.I LOVE YOU」収録の「彼女はデリケート」、「I'M IN BLUE」も佐野さんの曲で、佐野さんのバージョンも聴けます。「彼女はデリケート」は1982年3月リリースの「NIAGARA TRIANGLE VOL.2」とシングル曲としてリリースされました。
また、今回の「ワイルドボアの平和」でも演奏された「I'M IN BLUE」と「THE VANITY FACTORY」は1982年5月リリースの「SOMEDAY」に収録されています。
佐野さんバージョンでは「Vanity Vanity・・・」とコーラスでジュリーも参加。
サビのコーラスでやたらと高いキーで歌うジュリーの声、ジュリーが他のミュージシャンのコーラスなんて滅多にないし、控えめで分かりにくいことの方が多いですが、コレは違います。
一方、ジュリー・バージョンは「アンダー・マイ・サム」を彷彿させるアレンジで、グッド・オールディーズの空気が漂っていますね。このアルバムにはストーンズ、バディ・ホリー、エルビス、リバプールサウンドなど、若き日のジュリーの「ヒーロー達への憧れと敬意」に溢れたアルバムだと思います。そして、そんな魔法をかけた伊藤銀次のアレンジ、お見事です。「G.S.I LOVE YOU」は、僕がそんな風にアレンジとかバックの演奏とかを意識してジュリーを聴くようになったきっかけのアルバムなんですが、そのこだわりの根拠というか、分かりやすいネタがありますので、今日はそれをご紹介します。

僕の持っている「月刊ミュージック・ステディSPECIAL24号 昭和60年3月号」では、「佐野元春徹底研究」という特集が組まれていて、反響の高かった佐野さんのインタビューを再掲載するという内容のものですが、ジュリーについての記事があります。

1981年~1982年 「Heart beat」より
 僕にディレクターが「他の人に楽曲提供するとしたら、どんな人がいい?」って言って、僕は「沢田研二さんに歌って貰えればいいな」って言ったのが、或る日実現して。そしてジュリーのディレクターの方から、作詞・作曲で曲を書いてくれないか、と…。
 沢田研二さんは自分とはフィールドの違う人だから、上手くいかないんじゃないか、というような不安があったんだけれども、その不安は銀次のアレンジで解消されちゃったんだ。完全にロックン・ロールのバンド・サウンドになっているでしょ。ミキシングも吉野金次さんがやってたしすごく楽しかった。

またディスコグラフィーでは佐野さん自身の曲についてのコメントが記載されていますので、ご紹介しましょう。

I'm in blue」これはジュリーに書いた曲で、「G.S.I Love You」に収められている曲です。で、銀次のアレンジした「I'm in blue」ってのは、僕のと聞き比べてみて、本当に60年代って感じがする。いわゆるリバプールの匂いがプンプンする。ボビー・ビーの「星影のバラード」と、レオ・セイヤーの「星影のバラード」と全く同じ感覚が。だから、その聞き比べをした時に、その間は1年ぐらいしかないわけなんだけども、ナーンダ、僕達、やっぱりいろんなもの知ってるんだなって如実に感じたわけです。だから、カバーということにすごく興味が出てきた曲。

Vanity Factory」ブルーアイド・ソウルというか、そのことはベース・ラインに如実に現われてるんだけど、昔のブルーアイドと違うところは、ベース・ラインは昔のままなんだけど、タイコのバス・ドラが4つ打ちにして、モダンなスピードを出そうと思った曲です。

Bye Bye Handy Love」ジュリーに書いた曲で、ジュリーのアレンジは銀次なんだよね。フィフティーズのロカビリーみたいなんだ。で、僕の方はサックスを入れて、ロカビリーからR&Bっぽい感じでやったんだ。それで、これは、うちのバンドでA面、B面やった初めての作品。このシングルにはハートランドの血と汗と涙が凝縮されている。

静かに降りてくる1月の夜に、「THE VANITY FACTORY」の聞き比べなどいかがでしょうか。

G.S.I LOVE YOU Music G.S.I LOVE YOU

アーティスト:沢田研二
販売元:ユニバーサルミュージック
発売日:2005/03/30
Amazon.co.jpで詳細を確認する

SOMEDAY Music SOMEDAY

アーティスト:佐野元春
販売元:ERJ
発売日:1992/08/29
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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コメント

tomiさん、新年おめでとうございます。
今年もこちらに時々おじゃまさせてください。

6日・7日、私もはるばる渋谷まで遠征しました。

  あ、ここ、ネタバレはOKでしょうか?

実は年末、通勤の車の中でずっと「G.S.I LOVE YOU」のCDをかけていたんです。
だから、今回の「I'M IN BLUE」「THE VANITY FACTORY」には感激しました。
特に、「THE VANITY FACTORY」はこのアルバムの中で一番好きな曲なんです。イントロがかっこいいんですよね~「アンダー マイ サム♪」って歌いそうになっちゃいますけど(笑)

で、CDでずっと聴いていると、ライブで沢田さんが歌っているメロディラインと微妙に違っているのに気付いたりします。
私は、根っからのミーハーで、音楽的なこととかはよくわからないんですが、
「THE VANITY FACTORY」って、CDだと「ブラインドを少しずら~して」とか「静かに吸いこむのさ」のところが半音、いや、三分の一音?ぐらい下がるでしょう?
(何かうまく表現できないんですけど)

あのフラットになるところがかっこいいなあ、と思うんです。
自分で歌っても(ご近所迷惑)歌えないんですよ。
ライブだと、ちゃんとした(そうなのか?)音程で歌っているんですよね。
それとも、私の耳が聞き取れていないのでしょうか?

佐野元春さんバージョンもどこかにあるはずなので、
そちらも聴いて確かめてみようと思います。
ジュリーと比べてみたくて佐野さんのCDも買った、
ある意味、とても正しいジュリーファンだったんですよ、私は(何故か過去形)

2月には大澤さんのライブに行く予定です。
働けど働けど飛行機代とホテル代に消え去る我が給料、じっと手を見る……

長々と失礼しました。
こんな私ですが、今年もよろしくお願いいたします。

投稿: ふみ | 2007年1月11日 (木) 00時54分

ふみさん、新年おめでとうございます。
ふみさんも今年の「初ジュリー」はお済ませになられたんですね。画像で見たのですが、今回の衣装はカッコいいですね。このタイプの衣装が一番似合いますね。

THE VANITY FACTORYの歌い方、おっしゃる意味、よ~く分かります。黒いフィーリングとでもいいましょうか、確かにライブでの節回しや歌い方と違いますよね。
でも、ジュリーって他の曲でもいえるのですが、レコードのままでは歌わないことも多いですよね。小技を効かせたり、ご本人も毎回少し違うことをして、楽しんで歌っているのだと思います。(昔から歌詞が???)になるのはご愛嬌(!?)

佐野さんのパージョンも、ぜひあらためて聴いてみて下さい。あのコーラスは通勤の車の中で、一緒に歌い甲斐がありますよ。頭のてっぺんから声を出して、スッキリ目覚められると思います。

今回のライブでは柴山さんはどうでしたでしょうか?やはりいつもの赤いギターをメインに使って、元気に演奏されていましたでしょうか。DVDでは収録しきれない、お腹にくるギターの音色と音量、考えただけでもライブの禁断症状が…。

2月の大澤さんのライブもぜひレポートお願いしますね。飛行機代やホテル代、大変でしょうが、ライブはしっかり働くご自分へのご褒美ということで、楽しみましょう。
うちなんか、妻と息子を連れてのライブなので、遠征となるとびっくりするくらいのお金が出て行きます。でも次回はお金と時間を作って、何とかしたいと思っています。

ふみさん、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

投稿: tomi | 2007年1月11日 (木) 09時59分

tomiさん、こんばんは!
少々御無沙汰しておりました。今年もよろしくお願いします。
「VANITY FACTORY」はどちらも非常に痺れる曲ですね~。歌詞に出てくる「When Sunny Gets Blue」は僕にJAZZに興味を持たせてくれた1曲でジュリーと佐野さんには感謝してもしきれない・・という感じです。
音楽雑誌の「MUSIC STEADY」!僕も好きなミュージシャンの特集の時は購入してました、佐野さんは実力のある若手ミュージシャンとしてよく取り上げられておりましたね。伊藤銀次徹底研究の時もあって、ジュリーにまつわる興味深い話題がいろいろ出ていた記憶があります。
今年もギター好きならではの側面からいろいろ興味深いお話しを聞かせてくださいね!

投稿: keinatumeg | 2007年1月11日 (木) 22時12分

keinatumegさん、今年もよろしくお願いいたします。こちらこそご無沙汰しまして、大変失礼しました。ライブレポート、楽しく拝見させていただきました。
MUSIC STEADY、当時邦楽の音楽雑誌といえばGBで付録の歌本が魅力的でした。MUSIC STEADYは少し値段も割高だったんですが、こちらのマニアックさが気に入って、せっせと購読していました。ただ、あれから20年数年、引越しや結婚のドサクサで貴重な資料の数々を手放してしまい、残っているのが今回ご紹介させていただいた1冊です。(探せばもう2~3冊は出てくるはずなんですが)また何か貴重な資料を発見しだい、このブログでもご紹介させていただきたいと思っています。
keinatumegさんのご記憶やご経験にもおすがりしたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: tomi | 2007年1月12日 (金) 09時47分

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