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2006年9月 1日 (金)

レコードの魅力

僕は中古レコード店をまわるのが好きです。今や音楽はCDどころか、ネットでダウンロードとか、何やらもう昭和生まれにはついていけない領域にまで発展しましたが、レコードも案外いいものです。

昔、レコードはファッションだった。レコード店の袋にに包まれたLPを小脇に抱える姿はファッションのひとつだったと思います。中高生の頃、レコード袋を抱えた女子大生っぽいお姉さんを見かけると、「どんな音楽を聴いてるんやろ」と想像し、「オレと趣味があったら、ムフフフ・・・」と余計な展開まで妄想していました。

ジャケットの大きさもレコードの魅力です。CDのジャケットとLPではインパクトが全然違います。「ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ」のジャケットなんか圧巻です。LPのジャケットなんか息を飲んでしまいます。PYGのブタの鼻のあたりを押すと音が出るのもLPならでわのアイデアだし、皆さんもお気に入りのジャケットってありますよね。アイデア、芸術性、カッコよさなど、いろいろと楽しめるのがレコードです。

それに僕はレコードの匂いが好きです。国内盤と輸入盤ではその匂いも違うし、とくに輸入盤は舶来の匂いとでもいうのでしょうか、病み付きになりますよ。僕はまずレコードをプレーヤーに載せたら、カラのジャケットの隙間に鼻を近づけてクンクン嗅いでしまいます。チェスやスタックス・レーベルのLPの匂いを嗅いで「泥臭さぁ~!」と喜ぶ僕のその癖は、分かる方にはきっと分かっていただけると思うのですが、文章にしたらただの変態!?

レコードを聴くための作業はすべて両手。レコード袋からジャケット、そして保護袋から落っことさないように、キズをつけないようにレコードを取り出します。プレーヤーに載せるときにはおじぎ気味に「へへーっ」と卒業証書を受け取る(差し出す)ポーズ。自動のスイッチを押すよりも、慎重に手動でハリを落とす。1曲目が始まるまでの沈黙、プチプチと摩擦音だけのわずかな時間はワクワクの時間。

またA面B面と、アルバムにはミュージシャンのコンセプトや思惑がありました。「イエロー・サブマリン」のように、A面ばっかり聴いていたアルバムもあるし、CDと違って特定の曲の頭出しも面倒なので、片面は全曲通して聴くことが多かったです。だからその分、レコードはCDよりも印象に残ったし、楽しめたような気がします。

CDを小脇に抱えることもしなければ、そのままかばんにポン。だから、レコードを抱えたお姉さんをみたときのように、ムフフな想像力もはたらかせられないし、レコードと比べるとCDサイズのジャケットでは迫力がありません。「クリムゾン・キングの宮殿」なんか、やっぱりあのサイズでないと・・・。
また、片手でポンと簡単に再生できるメリットは、逆に手軽になりすぎで、音楽そのものが他の作業のBGMになりがち。だから、CDが波及した80年代後半から、「ステレオの前で黙って聴け!」というようなインパクトのある音楽が減少していったような気がします。バブルとともにやってきた、女の子を口説くときにはもってこいの耳障りのいい音楽や、オーディオの性能を確認するための音楽、ドラマの主題歌、カラオケ・ソングやキワモノたち。性懲りもなく荒稼ぎしているのも居座っていますが、本当の音楽が分かる若い人たちからは相手にされなくなってきていますぞ。中古レコード店やヤフオクなど巷じゃそんなCDは二束三文。ざまーみろ!(おっと、失礼)

当時、ジュリーはそんな時勢に逆らっていたんじゃないでしょうか。「Co-CoLO 1~夜のみだらな鳥たち」、「告白-CONFESSION」、「TRUE BLUE」の3枚には、沢田研二の反骨精神が感じられます。トレンディドラマの主人公やヒロインが住んでいた都心のお洒落なマンションより、腕のいい職人気質の大工が立てた、イカツイ瓦屋根や門構え、柱の一本にこだわった田舎の一戸建てのようなアルバム作りをしていたんだと思っています。考えすぎでしょうか。

まぁ、ともかく僕はCDの便利さにも感謝しつつも、擦り切れたレコードに想いを寄せながら、中古レコード店に足を運ぶのです。
みなさんももう一度、レコードに針を落とす瞬間のスリルやときめきをぜひ味わってみて下さい。

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