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2006年8月17日 (木)

ロック名盤「"S/T/R/I/P/P/E/R"」③

6曲目のバイバイジェラシーはシングル「渚のラブレター」のB面とはバージョンが違います。シングルのほうはギターソロは柴山和彦氏によるものだと思いますが、こちらはやはりビリー・ブレムナーで、ボーカルもシングルバージョンはちょっとエコーが強いかなという感じですが、こちらの倫敦録音はシングルに比べてカラっとしています。モータウンでは定番のリズムにパブ・ロックの香りが漂う名曲です。夜のヒットスタジオでこの曲を演奏するのを観た記憶があります。たぶん渚のラブレターが別スポンサーのCMソングだった配慮からだと思いますが、うれしい出来事でした。誰かビデオに録画したものをお持ちだったら、もう一度見せて欲しいです。

7曲目想い出のアニー・ローリー、2003年の正月コンサート「LOVE&PEACE」で久々に歌われたこの隠れた名曲、僕、この曲大好きなんです。この曲を聴いて以来、女性のポニー・テールがツボになってしまいました。僕はダンスパーティーなんか経験のない世代ですが、ティーンエイジャーの恋心を歌い上げるジュリー、お見事です。また、この「アニー・ローリー」って曲は、僕の通っていた小学校の下校の音楽だったので(当時はこの曲のタイトルを知りませんでした)、とてもノスタルジックな気分にさせてくれる曲です。

8曲目、FOXY FOX。想い出のアニー・ローリーの女性とは違い、この曲に登場するのは悩ましげな色っぽい女性。このタイトルは語呂がいいですね。直訳するとキツネっぽいキツネ。ジミヘンのFOXY LADYっていう曲がありますが、この曲の女性はもっとミステリアスなコールガール。曲調もファンキーでカッコいいですね。吉田建のベース、すごくいいです。コードもC7+9→F9→C7+9というファンキーなギターのカッティング、勉強になりました。

9曲目テーブル4の女。西平彰さんによる、まるで井上堯之バンドの大野克夫さんのプレイを彷彿させるようなキーボードが印象的です。イントロが聴こえたとたん、七曲署の刑事が走り出すような疾走感が味わえます。コードはEmのシンプルな展開なのですが、ジュリーのボーカルがミステリアスな雰囲気を出しています。歌詞を考えれば、ウエイトレスに思いを寄せ今日も4番テーブルに陣取る男の歌なので、タイトルは「テーブル4の男」なんでは?という疑問もありますが、気にしない、気にしない。スピード感のある気持ちいいロックです。

10曲目の渚のラブレターもシングルとこのアルバムではバージョンが違い、シングルの波音のSEがなく、いきなりドラムのタタタタタタで入ります。去年のライブ「greenboy」で久々に演奏してくれましたが、柴山和彦氏は懐かしい当時のギター、黒いTOKAI SilverStarでこの曲を弾いてくれました。当時のTOKAIのギターカタログには柴山和彦使用ギターと紹介されていて、何度もそのページをながめながら、僕もいつか手に入れるぞと心に誓っていたのに、結局買えずじまい。エレキはFender派の僕。今になってオークションで状態のよさそうなものを捜してはいるんですが、なかなか・・・。

11曲目、12曲目はテレフォン、シャワーと繋がっていて、テレフォンは、ディレイの効き具合や、ファンキーなカッティング、そして攻撃的なソロと、ギターの聴きごたえのある曲です。その中を泳ぐジュリーのボーカルがすごく良いですね。前半はダルそうに歌い、徐々に壊れていくっていうか、そういうシチュエーションの曲。ジュリーの魅力満載です。そして一転してシャワー。気だるそうなフェードイン、ふたまたかけられ、弄ばれ、壊れていった男の内なる世界の歌とでも言いましょうか、この一連の展開は聴いていてゾクゾクきます。この曲のGm→E♭7の繰り返しが効果的。朝から晩までヒットパレードのラジオをつまらないと言っていた男が、「ラジオが映し出すThrew_The_Screen ここは海の底」ですもんね。誰かが叫んでいたり、クラクションが鳴っているのに、海の底。「ドアの下 置かれた Newspaper 手に取れば文字が消えてゆく」っていうのは、電話の線を、明日への線を切ったあとの世界。うーん、意味深ですな。

13曲目バタフライ・ムーン。聴き手はこの曲で前曲から救われます。華やかにこのアルバムの大円団を飾るにふさわしい、「人生はバタフライ、ラララ…バタフライ」のリフレイン。

本当にこのアルバムは、バンドやってる人、ロックが好きな人にもっと聴かせたいです。よく「日本の名盤」みたいな記事が組まれ、80年代のアルバムでは、BGMには最適だったり、ちょっとしたサプライズだった「あんなん」や「こんなん」が高く評価されていますが、真のロックの名盤といえば絶対これです。

次回はA WONDERFUL TIMEのレビューです。夏におすすめのアルバム、早くしないと夏が終わってしまいますね。

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